折れない心 ーrescue J guy's blogー

元航空自衛隊のRESCUEパイロットが自分のやりたいこと、自分が何ができるかを発見できるようになる、折れない心(レジリエンス)について4つの原則を中心にお話ししてます。また、航空関連ニュースに対しての個人的な感想や意見もアップしています。

沖縄 米軍ヘリ事故 炎上について思うこと

今回も、思うことを私見で書いていきます。

まずは、ネットで拾った情報を貼り付けます。

www3.nhk.or.jp

www.okinawatimes.co.jp

 

 

 

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事故は無くなるか

 

事故は無くならないです。

それは、事故というカテゴリーは人間が決めているから。

何も問題にならないことは事故と呼ばず、なんかしら私たちの生活に影響を及ぼすことを事故と決めているからです。

 

私たちの影響(自然)として捉えれば、どこに落ちても何かの影響はあるものです。

例えばこんなものも。

headlines.yahoo.co.jp

 

実際に、歴史の中で事故とはその時代の中で起きたことで、永遠の定義では無いからです。

 

 

米軍機の事故

 

米軍は、今回の事故については遺憾とは思っているかもしれませんが、クルーが全員無事だったことを考えたら、大きな問題にはならないと考えていると思います。

 

今回、着陸後に炎上したヘリは海兵隊のヘリコプターです。

海兵隊に所属していたわけでは無いのですが、海兵隊の特徴をいうと、

 

「機材にはお金をかけない。数を揃える。古くても構わない」

 

こんなところです。

 

だから、高級なヘリコプターを大事に扱っている自衛隊に比べると、信じられない状態で日々の訓練と任務に使用しています。

 

ですから、仮に米軍側の整備がいい加減だとしても、彼らからすれば問題のないレベルであるかもしれないですし、機材の老朽化もわかった上での運用だったと思います。

 

繰り返しますが、クルー全員が生存していたことは何よりも、

「よくやった」

と、米軍内では判断されると思います。

 

 

沖縄の立場

 

沖縄の立場からすると、米軍が何をしても反対するし、抗議するというのが最近の流れです。

 

客観的に物事を見るということをあえてせず、沖縄(県知事)の立場のみで情報を発信しています。

 

先ほどのリンクで「ヤンバルクイナの繁殖地・・・」という記事を現地の記事が書くこと自体、物事の本質を見ない良い例だと思います。

 

同じ事故をドクターヘリが同じ場所で起こした場合、どのように記事にされるのでしょうか。言わずともわかると思います。

 

ですので、今回の事故も米軍機の事故に何が問題があった、ということよりも、米軍機が事故を起こした、ということ自体が問題として捉えています。

 

 

物事の捉え方

 

折れない心、レジリエンスで度々お話するんですが、ある事象が起きた時にそれを100人の人が目撃したら、100通りの解釈が発生します。

 

もちろん、似通った解釈をされる方は多くいると思いますが、100パーセント同一ということはほぼありません。

 

これは、その人それぞれが思考の「枠」「捉え方」を持っているからです。

 

産経新聞沖縄タイムスの記事を貼り付けてのは、少なからず記事の切り口が違うからです。

 

切り口が違うこと自体を非難する必要はないと思いますが、これらの記事がどういったバイアスを持っているかということを読者は知っておかなければ、誤った物事の見方をした情報を取り入れてしまうかもしれません。

 

私の捉え方

 

私は、元航空自衛官パイロットでした。米空軍、陸軍との接点もありましたので、彼らがどのようなことを考えているかは、民間の方より肌身に感じていると思います。

 

そして、私は日本が大好きです。できれば、米軍基地が日本にない状態で日本の平和と発展を図りたいとも思っています。

 

でも、今はまだその時期ではありません。

 

今回の事故の結果をみて、安全なところに降りて、しかもクルーが全員助かったのは機長の経験が豊かだったのだろうというところです。

 

 

www.orekoko.com

 

終わりに

 

航空機で発生する火災は恐ろしいもので、あっという間に燃え広がります。

私は、洋上で訓練することが多かったので、航空機でトラブルがあった時にいかにしてクルーの命を守るかということを中心に考えていました。

 

なんとか、クルーだけは航空機から脱出させ、安全なところまで航空機をコントロールして海没させる。その後、なんとか脱出し合流しよう、それだけでした。

 

陸上部においては、洋上とは違いどこに着陸しようと考えながら航空機をコントロールし、状況を管制機関や部隊に伝え、そしてクルーの命をどう生かすかを考えます。

 

ですので、普段の何気ない訓練場所への往復でも、不時着できる場所があるルートを意識して飛行したり、むやみに住宅密集地の上空を飛ばないように心がけていました。

 

守るべき国民を殺そう、危害を与えよう、などと考えて飛んでいる軍人はいません。

米軍人でさえ、自国民ではないですが、日頃から同盟国の国民を殺そうなんて思っていません。

 

航空機事故が起きることに反対されるのではあれば、まずは飛行機に乗らない生活をしてほしいものです。

 

 

 

 

 

陸自LR-2 事故調査結果の公表に関する報道について(私的感想)その2

 はじめに

 

前回の(私的感想)その1に質問が在りました。

コメントでお返事しているのですが、その内容を踏まえて今回のその2を綴っていこうと思います。

 

 

 

なぜ自走装置が切れたことに、クルーが気づかなかったのか

(以下、質問の抜粋)

> 自動操縦が切れ、警報にクルー4人が気づかないとはちょっと信じられないのですが。疑問に感じるのは私だけでしょうか?機長も副操縦士もベテランです。後ろに乗っていたクルーもベテランです。4人揃って警報に気づかないとは、信じ難いとゆうのが率直な意見です。 4人の目、耳があってそのような事態に陥るのか?まして着陸前で、あのような天候で後ろの搭乗員も気を張っていた事と思います。

 

この疑問に関して、自分の経験をもとにお話ししていきます。

 

まず初めに、私はLRー2には登場したことがないので、具体的な警報音やシステムに習熟していないことをお詫びします。

 

 

固定翼機の経験から

 

私は、ヘリコプターに搭乗する前は、固定翼機には搭乗する機会もありました。

また、パイロット候補生では、ビジネスジェット機を操縦していましたので、概要は理解しています。

 

警報について


今回の事故調査報告書を見ることができないのでなんとも言えませんが、ボイスレコーダーに警報音が残っていたと聞いています。


警報音には、おそらくパイロットがその音に気づきホーンカット(警報音の解除)していると思います。

 

うるさいですからね。

 

そうなんです、うるさいんです、警報音というものは。

 

だから気づくはずです。

 

でもここで一番恐ろしことが起きます。それは、

 

音をカットすることを無意識にしてしまうことがあるという事実なんです。

 

これは、今回の搭乗員が無意識にしていたと言っているわけではなく、よく起こることとしてお聞きください。

自分にもその経験があります。

 

航空自衛隊での事例

 

航空自衛隊はほとんどが固定翼航空機です。
ですので、着陸前には必ずギアをおろします。

 

訓練機には、ギアを降さずにパワー(出力)を絞ると警報音がなるシステムのものもありました。

これは、着陸前にエンジン出力を下げた時に

 

「ギアが降りてませんよ」


と教えてくれる、最終的な安全装置の一つです。

 

日本における事例映像先のリンクです。

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外国の小型機での映像がありましたので参考にしてください。

www.youtube.com

 

でも、このシステムがあっても、ノーギアランディングをしてしまう事例はあるんです。

 

なぜかというと、先ほど言った無意識にカットするということ。

(上記のリンク先では、警報音が鳴ったまま着陸してました。)

 

着陸前は色々な操作に加え、管制官との交話、さらにはクルー(教官)との会話が同時に進行している時期でもあるのです。

 

ですので、ギアを降ろそうとしていた時に、他の会話が入ってくるとギアを降ろすことを忘れてしまいます。

 

そして、本人はギアを降したつもりの記憶だけ残っているので、最終進入中に警報音が鳴っても、何で鳴ってるんだろうと思いつつ、着陸操作に専念する為に、半自動的に警報を解除してしまう。

 

または、先ほどのリンクのように

 

「この音は何だろう?」

 

と、疑問に思ったまま着陸してしまうかもしれません。

 

以上のことは、起こりうるだろう、という観点で書きましたので事実とはことんると思います。

 

実は、

実は、航空自衛隊でも訓練生だけではなく、実戦部隊のパイロットでさえノーギアで着陸してしまった事例はあります。

 

警報音だけではなく、視覚でもギアが降りているかどうかを確認する計器もありますし、その計器を確認してから着陸するという手順も決まっています。

 

ですが、先ほども言った通り、パイロットは着陸前に様々なことを同時に処理しています。

 

それは操作だけではなく、任務や次の行動についてもです。

 

ですので、警報音がなっていることはもちろん認識していると思いますが、警報音が鳴ったことへの対応をしているという保証にはならないんですね。

 

ヒューマンエラー

 

これは、確率的に起きているという話ですので、現在飛んでいるパイロットの方で、そんなことはあり得ないという方は多くおられると思います。

 

でも、それでも起きるのがヒューマンエラーなんですね。

 

ヒューマンエラーが起きないように、様々な教育や施策が取られていると思いますが、根絶できてはいません。

 

人が行うことですから。

 

オートパイロットの解除

推測1

今回の事故調査では、オートパイロットを解除したことが事故原因になったという内容だと思います。

(事故調査書を読んでませんので、間違いがあったら教えてください。)

 

これも情報元がネットニュースですので、本当のことかわかりませんが、墜落した時の方位が函館方向への旋回方向と反対であったという記事を見ました。

 

ここから推測できるのは、オートパイロットを誤って、または意図的にOFFにした後、なんらかの要因(管制官との交話など)で、オートパイロットをOFFにしているという認識がなくなり、雲中を緩やかに反対側に旋回しながら、機首が下がっていくことに気づくのが遅れたのかもしれません。

 

推測2

オートパイロットの解除をしたのち、空間識失調に入ったのではないか。

 

空間識失調(バーティゴ)は、対処法は訓練で行なっていますが、ひどい状態になると操縦することは非常に困難になります。

 

オートパイロットがどの時点でOFFになったかわからないのですが、旋回中にOFF になり、その時点で空間識失調に入っていたのであれば、操縦は極めて困難です。

 

でも、今回の事故での可能性は少ないと思います。

 

空間識失調に入った時は、副操縦士に操縦を渡すか、オートパイロットを入れるように訓練しているはずですから。

 

私的結論

やはりなんらかの要因でオートパイロットをOFFにした警報音を無意識にカットして、その後はオートパイロットが入っているものとして認識していたのではないかと想像しています。

 

副次的要因

あとひとつ、直接的な原因ではないとは思いますが、クルーの上下関係です。

 

副操縦士が階級上位の場合、微妙な関係になる場合があります。

 

これは、階級ではなくて、技量レベルで機長を決定せざるを得ない時に発生する権威勾配の逆転です。

 

機長の階級の方が低くなるということです。

 

軍隊は、経験で統率されるものではなく、階級で成り立っている世界です。

 

階級が上がるごとに、それ相応の技術や経験を下級者は期待しています。

 

しかし、これが逆転した時にその判断基準が複雑になるのです。

 

これは、パイロットに限らずどの職場でも起こっていると思いますが、瞬間瞬間の判断を求められる航空業界ではシビアな問題になる時もあります。

 

長々と思いつくままに書いてしまい申し訳在りません。

疑問が少しでも解きほぐれたら嬉しいです。

 

(前回のブログ)

   

 

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↓↓↓↓

陸自LR-2 事故調査結果の公表に関する報道について(私的感想)その1

平成29年5月15日、北海道函館空港災害派遣任務中に陸上自衛隊連絡偵察機 LRー2が墜落しました。搭乗していた隊員の皆さんのご冥福を改めてお祈りします。

昨日(平成29年9月13日)事故調査報告が公表されたことをマスコミ報道で知りました。

 

 

情報元

 

まずは、情報を整理するのにリンク先を貼っておきます。

北海道・北斗の陸自機墜落 異常降下気づかず、直前驚く声がレコーダーに (北海道新聞) - Yahoo!ニュース

 


headlines.yahoo.co.jp

陸自機墜落 衝突直前に驚く声 | 2017/9/13(水) 11:19 - Yahoo!ニュース

 

 

(北海道UHB)

4人死亡 自衛隊機墜落 「自動操縦"解除"を認識せず」事故調査結果を公表 北海道 (北海道ニュースUHB) - Yahoo!ニュース

 

時事通信

自動操縦解除気付かず飛行=降下続け機体異常姿勢―5月の陸自機事故調査 (時事通信) - Yahoo!ニュース

 

(読売新聞)

自動操縦の誤解除で墜落…陸自調査結果 (読売新聞) - Yahoo!ニュース

 

事故原因について

 

私見の前提

今回のブログの内容は、1次情報である事故調査報告書を見ずに、マスコミ報道からの情報から書いています。ですので、的外れになっている可能性があることを読まれている方はそのあたりをご考慮ください。

 

自動操縦装置について

 

 

自動操縦装置に起因する事故で思い出すもの

 

平成6年に名古屋空港(現県営名古屋空港)にて、中華航空エアバス機が着陸時に墜落した事故です。以下を参照してください。

中華航空140便墜落事故 - Wikipedia

この時の事故原因も、自動操縦装置に関わるものです。

 

今回の事故原因とは異なりますが、何が言いたいかというと、

「自動操縦装置はパイロットの労度を軽減させ、複雑な作業を的確に行わせることができる」

 

が、

 

パイロットが適切に操作、管理しなければ事故の原因になる」

 

ということです。

 

自分の体験談

 

パイロット学生時代

 

私は、訓練生時代にはビジネスジェット機での訓練で、自動操縦装置を使った訓練を行ったことがあります。ただ、自動操縦装置の使用自体を熟知するというより、どんなものかを体験し以後の任務に生かすという程度でした。

 

ただ、その時感じたのは、機能を熟知して適切に使用すれば、なんて便利なものなんだろうというものです。

 

その時も感じた通り、「適切」に使用すれば、なんですね。

 

 

航空自衛隊救難隊ヘリコプターの自動操縦

 

その後、私はヘリコプターパイロットになりました。しかも旧型機を保有する部隊への配属でしたから、皆さんが想像するような自動操縦装置とは無縁の世界で操縦の道を極めていきました。

 

当時、搭乗していたのはV−107(バートル)という航空機で、開発当初は自動操縦装置は何もついてませんでした。

 

昭和47年に宮崎県沖で米海軍機が墜落、救助に向かったV−107が夜間洋上進入中に墜落したことをきっかけに、姿勢維持、簡易的な自動アプローチ、気圧高度維持、自動旋回、などの機能が追加装備されるようになりました。

 

その後、UH-60Jの導入により自動操縦装置はさらに進化し、V-107に装備されていた機能よりもさらに高度な自動操縦装置が装備されるようになりました。

 

退職する直前には、新型のUH-60Jが導入されさらに便利な機能が付加されてます。

 

最も危険な、夜間洋上救出

 

自動操縦装置は一切使わないマニュアル操縦を徹底的に先輩パイロットから叩き込まれ、なんとか安全にできるようになっていました。この時は、毎回大汗をかきながら、実際の救助現場を想像しながら、いつ出動しても任務を安全に遂行して、クルーと遭難者を無事に基地に返すことのみ考えていました。

 

それが、新型機の自動操縦装置を使用し始めると、今までの苦労がなんだったのか・・・いとも簡単に夜の海でホバリングしてくれるようになりました。

 

失敗

でも、その時にやはり自動操縦装置の操作を誤って、失敗したことがあります。

 

当時、UH60Jの機長訓練をやっている最中で、航空機に関しても、自動操縦に関しても、まだまだ経験が少ない時でした。

 

それは、進入中にゴーアランド(進入を中止し上昇する)モードに入れる必要があった時です。

 

進入開始点を誤り、目的の場所でホバリングできないと判断して、進入のやり直しを決意しました。

 

右手の操縦かんの親指であるスイッチを押すことにより、上昇していくのですが、その時は押しても上昇せず、

 

なんで!? と、若干の混乱状態。

 

何回もスイッチを押してる間に、操縦桿に自分の操作を加えてしまい、コンピューターが規定値以上の機体運動を感知して、警報が点灯しました。

 

その時は、自分の操作で警報がついたかどうか判断できない状態でしたので、訓練を中止し基地に帰りました。

 

地上に降りてから冷静に操縦桿を触ると、その原因がわかりました。似たようなスイッチがすぐそばにあり、そのスイッチを何回も押していたのです。

 

LRー2の事故に関して

自動操縦装置の解除

 

今回の事故調査の報告では、ボイスレコーダーの解析によりレーダーから機影が消える前に自動操縦装置が解除された時に発する音が記録されていたそうです。

 

この、自動操縦装置を解除するスイッチがどこにあるのかというと、パイロットがすぐに操作できるように操舵輪(操縦桿)の指が届くところにあります。(全部ではないと思います。)

 

また、パイロットが管制官と無線で話すときのスイッチも、すぐに操作できるように操舵輪(操縦桿)についています。

 

ですので、間違って押してしまいやすいところにあるのは事実です。

 

 

事故は、複合した条件が重なり起きる

今回、事故調査報告書の中で種の事故原因を自動操縦装置の解除に気づかなかった、というようなことが発表されていますが、単純に考えると、そんなことが事故原因になるの?って思いませんか。

 

自動操縦装置が間違って解除されても警報音が鳴るようになっているのですから。

 

でも、自動操縦装置の操作だけをパイロットがしているのであれば気づきますが、人間意識していなければ、音なんか聞こえないことが多くあります。

 

例えば、家で好きなテレビ番組を見ている時に、奥さんから何度呼ばれても返事をしない旦那さんっていませんか?これ、パイロットでも聞こえなくなっちゃいます。

 

そうなんです、他のことに気を取られていると、聞こえなくなってしまうことはあるんです。

 

今回の任務

陸上自衛隊が唯一保有する固定翼機、LRー2。その操縦士も少なく、計器進入する訓練機会も経験もそんなに多くないと思います。(民間旅客機、航空自衛隊と比べて)

 

その上、災害派遣での飛行中、間も無く函館空港に着陸、着陸したのちの帰投計画、天候が悪い、クルーの権威勾配が逆転などの状況にある中、同時並行的に様々な判断をしなければならないのです。

 

しかも、計器飛行をしながら。

 

計器飛行状態を車で例えると

 

濃霧で視界が10mくらいなのにカーナビの道路標示だけを見て、速度を守って運転するようなものです。

肉眼では、どこまでが道路か判断できない状態で、カーナビ上の道路にいるように運転することって、想像したことありますか?

 

車は2次元ですが、飛行機は3次元です。

 

経路を守りながら操縦するのは当たり前で、高度も守りながら操縦するのです。

時には高度を下げながら旋回することもあります。

今回はそんな最終進入に近い場所で起きていると思います。

 

自衛隊パイロットの能力

自分は、やって当たり前、できて当たり前、と思っていたパイロットの能力は、一般社会では当たり前ではなかったという、当たり前のことを最近実感しています。

 

操縦しながら、次の任務のことを考え、そしてクルーとも話して一つの任務を達成する。そんな当たり前のこと、それは、日頃の訓練で培われていたんだということです。

 

経験値だけで能力の比較はできませんが、経験していない人と比べられればよく理解できます。

 

 

終わりに

今回の事故原因が出て、パイロット個人の責任のようにも見えるのですが、逆を言うとそれくらい困難なことを日頃やっているということです。

 

また、パイロットも非常に困難なことをやっていることに、無自覚であるということ。

 

事故が起きて、その事故原因について分析して、同種事故が起きないように、パイロットが意識する。

 

それだけでもしなければ、お亡くなりになった方々に申し訳ないです。

 

責任問題は発生するのは致し方ないですが、空の世界に生きる人たちには、お亡くなりになった全ての方の経験を無駄にすることなく、今後も安全に飛行してほしいです。

 

 

 

 

 

 

折れない心というものは、いつ、どのように身についていったのか?

 

折れない心というものは、いつ、どのように身についていったのか?

 

何かのセミナーに参加したから、身についた。

親の教育が厳しかったので、身についた。

パイロットの教育が厳しかったので、身についた。

信仰する宗教のおかげで、身についた。

中学校からやっている柔道のおかげで、身についた。

 

みなさんは、自分の 「折れない心」 ってどこで見につけましたか?

 

 

こんな回答が多い

 

この質問をすると日本人の良いところとして、こんな反応が返ってくると思います。

 

「いやいや、私なんて心が弱くて、いつも折れまくりですよ。」

 

でも、逆にこんな答えも帰ってきます。

 

「折れたことなんてないから、折れるやつの気持ちがわからない!」

 

これ、昭和生まれの体育会系上司に多い回答です。

 

折れない心の概念

 

折れない心、という言葉自体は概念的なものなので、少しづつ具体化して考えていかなければ、正直自分でも理解しづらいです。

 

具体化して行く作業というのは、やってみたり、やった結果自体は他人から見ると、大したことではないものです。

 

「そんなの当たり前じゃない?」 なんて言われちゃいそうです。

 

具体化していくことで唯一成果が出るのは、

 

  「本人だけ」です。

 

ですので、自分自身が考えて、自分に向き合い、自分の中にある折れない心のリソースを引き出したり、自分にないリソースを身につけたりしなくてはいけないんですね。

 

 

 職場と家庭でのストレス状態

 

 毎日、仕事に追われている。

 毎日の子育て家事で自分のことを考えるゆとりがない。

 

確かに、その通りです。自分のことで精一杯ですよね。

私もそんな日々を送っていましたし、今でも時々そのような状態になります。

 

 

そんな状態がいつ好転したのか?

 

悩んだ時に読んだ本やブログ記事でヒントをつかんだこともあると思います。

 

一番影響力があったことはなんだろう?

そう考えると答えは一つでした。

 

   「自分自身の本来の強さを引き出せる場所に行く」

 

瞑想や山籠もりでの修行という面でも、どこかに行くことになりますが、今回お話ししたいのは、そういった人が集まる場所に行くという意味です。

 

私にとってのそんな場所は、

・好きな作家さんが開くセミナーやその懇親会会場

・同じ夢を持って集まった人たちの勉強会

・ストレスなく集まれる友人との食事会

・自分がなりたいと思う理想像に近い人との面談

 

自分を認め、他人を認め、そこにいていいんだと思える場所。

 

普段の職場、家庭環境では味わうことができない、本体の自分との出会い。

 

そんな場所、ありますか?

 

 

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安心と安全 ー 素の自分をさらけ出せる場所

 

素の自分をさらけ出す。

女性で言えばすっぴんでもいられる場所。これは家の中でしょうか?

 

家の中って、安心と安全がありますよね。そんなところだったら自分の素の姿をさらけ出せると思います。

 

男性で言えば、夜の飲み屋で綺麗な女性と飲んでいる時に素の自分になっている時が多くないですか?(酒がなくてもです。)

ここでも、安心や安全が確保されていると思います。

 

安心と安全があれば素の自分をさらけ出せますよね。でも、もう一つ条件があると思います。一人で家にいて「すっぴん」でいて自信が持てますか?飲み屋で綺麗な女性が横にいて酔っ払っていて、本音を話しできますか?

 

 

 

前向きな言葉 ー ポジティブな姿勢

 

友達が遊びに来て、お肌のことを褒められたり、化粧がなくても全然綺麗!なんて言われたら自信が湧きませんか?

 

飲み屋で女性から、今回の失敗は次回の成功の素ですよ。なん言われたら元気が出ませんか?

 

安心で安全な場所、そして前向きな言葉姿勢を得られる場所。そんな場所が必要ですね。

 

 

安心、安全、ポジティブ

 

この言葉、昨年知り合った方が所属している団体で言われている言葉です。

この団体の紹介は後日改めてします。

 

今回、社会性というテーマで折れない心を身につけることを書こうと思った時に、この団体に所属している人達が思い浮かびました。

 

もちろん、安全、安心、ポジテイブだけで折れない心が身につくかというと、一概には言えませんが、この方々と一緒にいると心が軽くなるんですね。

 

それは、自分の真の姿でいらる、その姿を認めてもらえる。そんな場所だからです。

 

 

折れない心の柱

 

折れない心は、4つの柱からなっていますが、その一つである社会性は、

・コミュニケーション

・他者との繋がり

・社会的被支援

・チームワーク

以上の4つの要素からなっていると、私の講座ではお話ししています。

一人では得られることができない、複数人での力を自分の力に変えることができる、社会性の要素。

 

一人一人が社会性を意識して行動していけば、その所属する組織が、社会性という柱を太くすることができ、組織自体が折れない心を育む場所に変化していきます。

 

でも、それまでの間は自分一人だけでは組織を変えることはなかなか困難ですね。

そんな時は、先ほどもお話ししたように、そういった場所に自分を置いてみる。そんなことからスタートするといいかもしれません。

 

まとめ

 

私も、安心・安全・ポジティブを掲げる団体のコミュニケーション講座を受講し、この団体でも講師になりました。

 

ここには、自分の折れない心を保つための要素があります。そして、この団体に足りないものを私が提供できるかもしれません。そのことにより、自分の最終目的である、日本全体が折れない心を持ち、困難な状況にも耐え、そこから成長していくこと、につながると思います。

 

折れない心を身につけるための、一つの要素ですが、最大の要素とも言えるコミュニケーションを含む社会性。

 

昔の日本には、普通にあったコミュニティーが今は自ら探して所属する時代になりました。

 

自分にあった居場所を見つけ、そして、そのあとは自分が居場所の良い場所を作り上げていく、そんな活動を広げていきたいです。

初の?航空身体検査

高校を卒業して以来、初めて民間病院での身体検査を受験しました。

しかも、航空身体検査です。

自分の忘備録として、今回受験したことを記録します。

 

航空身体検査とは

 

パイロットになるには、航空身体検査を受験し、有効な航空身体検査証明書を保有していることが必須です。

訓練生であるときは、操縦練習のために身体検査を受験しなければいけませんし、事業(仕事)をするにしても、有効な証明書が必要になります。

厳密な話をすると、航空法にその細部が記載されていますので、興味がある方はどうぞ。

(航空身体検査は31条です。)

航空法

さらに詳しいことが記載している、航空法施行規則です。(61条)

携帯六法 航空法施行規則

 

 

航空身体検査|一般財団法人 航空医学研究センター

 

 航空身体検査受験

 

それで、今回の航空身体検査受験を愛知県常滑市にある常滑市民病院で受けました。

市民病院の中に、健康管理センターという部署があり、そこで一般の身体検査などを行なっています。航空身体検査もここが窓口でした。

 

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航空身体検査の項目

項目自体は、航空法施工規則 別表第4(第61条の2関係)に載っています。

前職以外では初めて受けるので、どんなふうに調べられるのかとドキドキしていきました。

 

かなり項目があるように見えるのですが、実際のところは通常の身体検査にパイロット独特の項目があると思ったらいいです。

 

例えば、視力で行くと通常は遠距離だけのところ、中距離、近距離という項目が増えます。また、視野や色覚についても調べられます。

 

色覚は小学校の入学時に調べてもらった人がいるのではないでしょうか?石原式という色覚検査を受けました。

 

参考になるサイトをリンクさせておきます。

www.h-nc.com

 

一番心配したのが、「脳波検査」!

何が心配かというと、「検査中は寝てください」って言われるんですよ。

 

寝られなかったら身体検査が終わらない・・・・

必死で寝ようと思いましたが、気付いた時は寝ていました。 

 

身体検査には賞味期限がある

 

賞味期限=有効期限のことなんですが、一般的なパイロットが受験する航空身体検査の有効きけんは、半年か1年の有効期限があります。

 

これは、少し区分けがあって、エアラインで飛んでいるような旅客機パイロットは、40歳未満だと1年、40歳以上だと6ヶ月(半年)になっています。

 

これは、エアラインのパイロットが旅客の安全を第一に考えているので、身体検査も40歳を超えると半年に1回受けて、体調管理をしているんですね。

 

一方、僕のような事業用パイロットの免許を持っている人は、60歳になるまでは1年間の有効期限があります。

 

 

前職(航空自衛隊)では

航空自衛隊パイロットも航空身体検査を受験します。

 

初めて受験したのが、航空学生(以下過去記事)受験の時に受けた甲種の身体検査です。

 

www.orekoko.com

 

 

これは、操縦要員(パイロット)やその他の航空要員の選抜時に行われるものです。

なので、パイロットになってからは、乙種と呼ばれるものを継続受験します。

 

検査項目が載っている訓令のリンク先

       ↓

http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/a_fd/1957/ax19580106_00001_000.pdf

 

 今回受験して感じたこと

 

視力について

 

視力については、この1年くらいはフライトすることがなかったので、正直いうと自己管理できていませんでした。少し見えづらくなっていて、この時の検査では0.8まで落ちでました。(後日受験した通常の身体検査では、1.2ありました。)

 

ですので、パイロットになるだけではなく、将来的に何かをしたいと思っている人には、視力が悪くてなれませんでした、ということがないように自己管理してほしいと思います。あとで後悔しないように。

 

検査項目について

検査項目自体は、航空自衛隊と一緒なんですが、違うことが多くあります。

それは、航空自衛隊パイロットは主に、「戦闘機に乗って戦えるか」という判断基準が大元になっているからです。

 

今回、歯科の項目はなかったのですが、航空自衛隊の検査では歯科は重要でし。

 

もし虫歯があったまま飛行して、気圧の変化で虫歯の部分の空気が膨張したら、歯が痛くてフライトどころの騒ぎじゃ無くなります。

 

また、重力(G)に耐えながら飛行するパイロットの歯は噛み合わせが良くないと、歯をくいしばるので歯がボロボロになります。ですので、歯科に関してはかなり厳しく見られました。親知らずも抜かされましたよ。(今はどうなのかな?)

 

終わりに

 

身体検査を受けなくなって約1年後に受験した、航空身体検査でしたが、正直いうとドキドキでした。

 

というのも、自衛隊在職時は規則正しい生活をしていたので、大きな変化があれば自分でコントロールできます。

 

ただ、退職したのちは、自らが考えて行動しているので、規則正しく自分を管理することが難しかったのです。

 

一般の病院で受験する航空身体検査よりも、かなり厳しい基準で検査をパスしていたとしても、この1年で自分の体がどうなっているか、わからない、というのが正直不安でした。

 

約半日かけて受験し、等に異常がないと聞いた時は、ほっとしました。が、着替える時に脇汗をすごいかいていることに気づき、体は正直に反応していたんだとわかりました。

 

今回、受験したのもパイロットの仕事に再度挑戦しようと思ったからです。

 

そのことについては、後日また改めてブログにまとめていきたいと思います。

 

航空無線通信士

今日は、無線の免許の再交付に行って感じたことをお伝えします。

 

免許の再交付を受けに行った理由

僕は自衛隊の航空機を運航しているときに、律儀に総務省の免許も常に携帯していました。必要免許と一緒に一つの袋にいれてフライトスーツの胸ポケットに入れて飛んでました。

そこまではよかったんですが、訓練でものすごい汗をかく僕の体が、その袋の中にまで汗を侵入させてしまい、免許が濡れてしまったんですね。

 

その結果、資格名や番号が見えなくなりつつなってました。

 

まずは、わかり易い写真をみてください。

右側に写っているのが、私の自衛隊時代に取得した総務省の航空無線通信の免許です。

(左:42歳 右:20歳)

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自衛隊って無線の免許いるのか?

自衛隊パイロットになるためには、無線の資格を取得しなければなりませんが、これは自衛隊内での規則でその資格取得が決められています。

 

ですので、総務省の免許を取得する必要はありません。

 

自衛官総務省の免許を取る理由

 

単純な話です。自衛隊を退職したのち、空を飛ぼうと思ったらこの資格が必要なんですよね。

 

だから、将来のことを考えたら若いうちに取得しておいて損はない、っていうくらいです。

 

 

私が取得した理由

 

本当に何も考えていませんでしたが、航空自衛隊の航空学生課程(2年間の地上訓練)を修了したのち、同期生は次々と空へ飛び立ちます。

 

しかし、航空機の数と教官の数には限度があり、全員が同時期に飛行訓練を開始できません。

 

その間、地上訓練などをおこなうのですが、どうしても中だるみしてしまう。

そんなときに、教官が考え出した苦肉の策が、国家取得の勉強をさせるということです。

 

ほとんど丸暗記に近く、過去問を見ただけで答えが分るくらい勉強しました。

 

これ、今42歳になってからとれっていうと、ちょっとしんどいかもしれません。

 

結論

昔の免許はそれなりに味のある冊子形式が多いですが、今の様なカード形式の方が持ち運びに便利。再発行は、2200円の収入印紙のみでできるので、昔の免許を更新したいかたはお勧めです。ネットからダウンロードした書類に書きこんで提出するだけの簡単さぎょうです。

僕が行った、当かい総合通信局は以下のリンク先に情報があります。名古屋市役所の近くです。

http://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/toukyoku/index.html

あと、免許と名の付くものは、資格としては若いうちに取得したほうが楽ということ。

ただし、免許取得マニアになっては意味がないですよね。

富山県立山 小型機墜落で思うこと

 

 

小型機墜落の報

6月3日(土)のネットニュースで事故を知りました。

headlines.yahoo.co.jp

 

今回のニュースで特筆なのが、事故機に登場している人自身からの連絡です。

 

携帯電話の威力

 

小型機では、大型の無線機は搭載することが少ないので、必要最低限のVHFしか搭載していない機体がほとんどです。

 

日本各地を飛行する時には、無線中継してくれるポイントがありますが、それも山の中では通じないことが多いです。

 

しかも、高山岳地帯であれば余計に電波の到達距離が低下します。

 

そんな時に、最後の手段として活用できるのが携帯電話です。

 

無線が通じない、でも連絡をしたい。

 

低高度を飛行している時には、携帯電話が通じる場所が意外とあるんです。

 

 過去に、防災訓練で飛行中に無線が通じなかったので、携帯電話で連絡を取ることを試したことがありました。機内の騒音がすごいのですが、ヘルメットの中に無理やり携帯を突っ込んで見たら、意外と通じることがわかりました。最近では、イヤーマイクを使えばスマホでも十分使えると思います。

(各社の運航規定により使用、持ち込みをしないところもあると思いますが。)

 

小型機からの通報

 

今回は、事故機搭乗者からの事故通報です。おそらく立山の観光地でしたので、携帯電話のアンテナが近隣にあったのでしょう。

 

事故当日は、霧がありヘリコプターを使った上空からの捜索で事故機を発見できなかったようです。

 

情報によると、4人が登場していて2人の意識がないとのこと。残る2人も足が挟まって動けないと言っています。山中は気温が下がるので、早急な救助が必要になります。早朝は、雨雲が残り雲が多い天気のようです。地上の捜索隊が早期に発見してくれることを願います。

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捜索する側から見た、小型機事故の特徴

 

みなさんが、航空事故をイメージする時、おそらく大炎上している映像を思い浮かべるかもしれません。

 

数年前に、調布飛行場を離陸したばかりの飛行機は墜落したもテレビ放映で火災現場を見た記憶がある人が多いと思います。

 

しかしながら、軽飛行機が山中に墜落した時には、あれほど大きな火災にはならないのです。

 

搭載燃料の差です。

 

火災の多くが、航空機に搭載している燃料に引火して火災が起き、その火炎により周辺の木が燃える。

 

私も、初めて捜索に行った時にはそのようなイメージを持っていましたので、事故機が発見された現場を後から確認した時には、その状況に唖然としました。

 

火災もなく、木も倒れてる箇所が少なかったのです。

 

山腹にまっすぐ突っ込めば、上空からは事故現場がわかりにくいのです。

 

まとめ

 

事故原因はおそらく色々とあると思いますが、搭乗者の無事と捜索する方々の安全を祈ってます。